2024.10.25
生理前後の心身の体調不良。生理痛や肌荒れ、気分のムラに効果的な成分を教えて!【Welpa相談室 vol.29】
なんとなく身体や心のモヤモヤ・不調があっても、「いま忙しいから」「病院に行くほどでもないから」とやり過ごしてしまうこと、ありませんか? Welpa相談室は、そんなスルーしがちな心と身体の声に寄り添い、ドクターや専門家に気になるアレコレを相談できる場所。
今回のテーマは、生理のお悩みについて。生理前後に揺らぎがちな心と身体の悩みを和らげる効果的な成分やアイディアなどを、セルフケア薬局の薬剤師 小川さんに教えていただきました。
▶INDEX
—お悩み①:下腹部にズーンとくるような生理痛
—お悩み②:生理前後に増える肌荒れやニキビ
—お悩み③:生理中の、気分の浮き沈み
下腹部にズーンとくるような生理痛
—生理期間中に訪れる、下腹部の痛みを軽減したいです。どんな成分を取り入れるのが良いでしょうか?
ビタミンEや、漢方に配合される当帰、生姜の入ったハーブティーを意識的に摂ると良いでしょう。
—ビタミンEや当帰、生姜の入ったハーブティーがおすすめの理由を教えてください!
生理中は基礎体温が低下するのに伴い、通常よりも粘度の高いドロっとした血液状態になりやすいと言われています。その流れの悪い血液を体外に出そうとするため、身体に負担が生じて生理痛につながります。ビタミンEや当帰は、血の巡りを良くする効果があるので、スムーズな血流をサポートしてくれます。また、身体を温めることでも血流アップを期待できるため、生姜の入ったあたたかなハーブティーもおすすめしています。冷え症の人ほど生理痛がひどくなる傾向がありますから、温めることを意識してみてください。
—ビタミンEは、サプリメントなどではなく、食事からも摂取できるのでしょうか?
ビタミンEを多く含む食材には、緑黄色野菜やアーモンドなどが挙げられます。日頃から野菜をしっかり食べるようにしたり、おやつにはアーモンドを選んでみるなどで、日常生活に取り入れやすいかなと思います。
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生理前後に増える肌荒れやニキビをなんとかしたい
—生理前後はいつも以上に肌が荒れたり、ニキビができやすくなってしまうのですが、これはビタミンなどで改善できますか?
生理と連動した肌のお悩みには、ビタミンB2やビタミンB6、大豆イソフラボンを意識してみてください。
—ビタミンだけでなく、大豆イソフラボンも関係するのですね! それぞれのおすすめ理由は何でしょうか?
生理中や生理前はホルモンバランスが変化します。女性ホルモンの中でも、美肌ホルモンとも呼ばれるエストロゲンの分泌が低下し、黄体ホルモンの分泌が活発になります。この黄体ホルモンは量が増えると、過剰な皮脂分泌を引き起こし、肌荒れやニキビの原因になるのです。
そんな皮脂分泌量を調整してくれるのが、ビタミンB2とビタミンB6。一方で減少してしまう美肌ホルモンに似た働きをするのが、豆乳に含まれるイソフラボンです。イソフラボンには新陳代謝を促す効果もあると言われているので、肌のターンオーバーにも良い影響をもたらしてくれます。
—皮脂分泌の調整に役立つビタミンB2とビタミンB6は、どのように摂取できますか?
食材であれば、肉や魚、レバーや大豆などに含まれるので、この辺りを取り入れた食事を意識してみてください。食材から摂取するのが難しい場合には、サプリメントを活用するのも一案です。セルフケア薬局でも取り扱いのある「マルチビタミンBR」というサプリメントは、ビタミンB2とB6のいずれも配合されているので、候補に入れてみてもいいでしょう。ただし服用の前に、飲み合わせなどが問題ないか薬剤師にご相談ください。
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—新陳代謝を促して美肌ホルモンのような働きをする大豆イソフラボンの、摂取時のポイントを教えてください。
大豆イソフラボンは、豆腐や豆乳、納豆などの大豆製品から取り入れるのが一般的です。イソフラボンは美肌ホルモンに似た働きをしたり、新陳代謝を促したりと嬉しい機能を持った成分ですが、摂り過ぎは厳禁です。過剰摂取した場合、逆にホルモンバランスを崩してしまい、ニキビの原因になってしまうこともあります。適量を摂取するためにも、医師や薬剤師に相談してくださいね。また妊娠中も取り過ぎに気をつけた方が良いため、サプリメントの服用は避けましょう。
生理中は、気分の浮き沈みに悩まされる
—生理中に起こる、イライラや落ち込みなどの気分の浮き沈みを何とかしたいです。
気分の浮き沈みの原因は、ホルモンバランスの乱れだけでなく、生理痛やだるさなどにもあると考えられます。そのため、気持ちを落ち着かせるカモミールティーやローズティーに加えて、生理痛の原因の一つである冷えや血の巡りに働きかける、当帰と芍薬が入った漢方もおすすめです。
—ハーブティーは良いのですね! カモミールとローズのどんなところが良いのか、もう少し教えてください!
カモミールは、気分のムラを落ち着かせて穏やかな状態に導いてくれると言われています。一方のローズは、落ち込みがちな気分をサポートしてくれると言われています。ローズヒップティーとローズティー、どちらでも問題ありませんが、ローズヒップはビタミンCも含まれているので、プラスの効果が期待できそうです。
—ハーブティーを飲むタイミングは、いつでも良いのでしょうか?
ご自身がリラックスできるタイミングに飲むのがおすすめです。心も身体も緊張が解けてリラックスモードになると、副交感神経が優勢になり、よりハーブの効果を感じられると思います。
—タイミングも大切なのですね。ちなみに、ローズやカモミールのオイルなどで香りを楽しむだけでも効果はあるのでしょうか?
香りだけでも、リラックス効果を期待できます。ただ、ハーブティーを通してローズやカモミールの成分を体内に取り込むと、より気持ちを落ち着かせてくれる効果を期待できるでしょう。一つ気をつけたいのが、摂取量です。ローズは妊娠中に多量摂取すると切迫早産や流産の原因になりかねないため、適切な量を医師や薬剤師と相談するようにしてください。
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—気分のムラの原因に、生理痛の辛さが影響している可能性があるという点、確かにそうだなと思いました。当帰と芍薬のおすすめ理由も知りたいです。
当帰は、「お悩み①」の生理痛のお悩みでもあったように、血の巡りを改善する効果があるので、結果的に痛みの緩和を期待できます。芍薬に関しては、子宮筋の過剰な収縮を予防する効果があり、こちらも生理痛の痛みを和らげるのに一役買ってくれるでしょう。漢方もサプリメントやローズと同様で、成分重複などを避けるためにも、薬剤師やかかりつけ医に相談の上、服用してください。
—生理に伴う痛みや肌荒れ、気持ちの浮き沈みはしょうがないものではなく、対処することができる悩みなのですね!
生理は多くの人に毎月訪れるため、生理痛やPMS(生理前後での心身の不調)などの悩みは当たり前だと思っている方もいると思います。しかし、自分が「痛い」「辛い」と思うなら、それは立派な不調です。我慢したり放置していると、妊娠しにくい体質になってしまったり、重大な病気が隠れていたりする可能性もあります。そのため早めの受診をおすすめしますが、産婦人科へ行きづらかったり、受診していいのか悩んだ際には、いつでも気軽に薬剤師までご相談ください。
※記事内で紹介している商品は、セルフケア薬局でもお取り扱いのある商品です。サプリメントや漢方は、薬剤師に相談の上服用してください。