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2023.03.14

Welpa相談室vol.16 子宮頸がんってどんなもの?ワクチンで防げるって本当ですか?【後編】

#Welpa相談室 #レディースクリニックサンタクルス

気になっているけど、病院へ行くのはちょっと大袈裟だから...とほったらかしている身体や心のお悩み、ありませんか?Welpa相談室では、そんな日々のモヤモヤに耳を傾け、わかりやすくお答えします。第16回は、子宮頸がんの予防策であるHPVワクチンについて。どのワクチンを受けたらいいのか、男性は受けなくていいのか、HPVワクチンにまつわる様々な疑問を、レディースクリニック サンタクルス ザ シンサイバシの藤田先生に聞いていきます。

▶前編:子宮頸がんってどんなもの?ワクチンで防げるって本当ですか?【前編】

Illustration Yukiko Kata 

Text & Edit RCKT / Rocket Company* 

Q. HPVワクチンの定期接種期間を過ぎてしまいました。もう受けなくていいでしょうか?

 

子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染予防策としてHPVワクチンがあるということ、小学校6年生から高校1年生までの女子は自己負担なしの定期接種を受けられるということを前編でお伝えしましたが、この時期を過ぎても45歳頃までは接種の効果があると言われています。

 

若いほうが抗体が多く作られやすいのと、初めての性的接触より前にワクチンを接種した方がいいということで、接種は早いに越したことはないです。ワクチンの種類や個人差もありますが、今のところ、ワクチンはおおよそ10年以上その効果が期待できると言われています。

 

ただ、定期接種(自己負担無料)の期間を過ぎてもワクチンを受ける意義というのは多いにあります。性交渉の経験がまだない状況であったり、あるいは経験があったとしても(あとの質問への回答で詳しく説明しますが)がんの原因となるHPVの遺伝子型にはたくさんの種類があり、例えば、すでに1つの型のHPVに感染していたとしても、ほかの型のHPVをワクチンで防げる、という効果があるのです。2023年4月から定期接種として承認された「シルガード9」ワクチンは予防できる型が9つあります。1人の人が9つすべての型にすでに感染しているというのはまず考えられません。HPVの潜伏期間は3〜10数年とわかっていますが、感染しても免疫力で自然治癒することもあり、残りの型に対してワクチンで予防することができます。

 

2022年4月から厚労省が「キャッチアップ接種」として12歳から25歳の女性を対象に、無料でHPVワクチンを接種する制度をスタートしました。1997年4月2日生まれから2006年4月1日生まれの方が対象で、制度の利用期間は2025年3月末までとなっています。

 

HPVワクチンは、3回にわたり接種することを厚労省は推奨しています。また、2023年4月から、シルガード9(9価)に限っては、15歳になるまでに1本目を接種した場合は合計2本で接種完了となります。ワクチンの種類により間隔は異なります。1回目の接種から3回目の接種まで半年間の期間を要します。接種費用は2006年度より前に生まれた人は自費となり、3回セットで5〜10万円ほど、1回2万円くらいかかります。(前述の通りキャッチアップ接種を利用すれば1997年度〜2005年度生まれの方も公費で接種できます。)3回目の接種だけ公費接種の期間を過ぎて自費になってしまうといったことがないように、スケジュールを確認して計画的に受けることをおすすめします。

 


Q. HPVワクチンには種類があるということですが、違いやおすすめを教えてください


HPVには200種類以上の遺伝子型があります。自然界に普遍的に存在していて、湿度が高い場所に好んで生息するウイルスで、諸説ありますが男性は温泉のマットレスやサウナのタオルなどからペニスに感染するという報告もあります。

子宮頸がんの原因となるHPVの代表は16型と18型で、この2つが子宮頸がんの原因の約6割を占めています。他に、子宮頸がんの原因となるHPVとして31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、66型、68型などがあります。性感染症である尖圭コンジローマはHPV 6型と11型の感染が原因となります。

今現在、日本で受けられるHPVワクチンは3つあります。

「サーバリックス」(2価ワクチン):16型と18型を予防
「ガーダシル」(4価ワクチン):16型・18型・6型・11型を予防
「シルガード9」(9価ワクチン):16型・18型・6型・11型・31型・33型・45型・52型・58型を予防

「サーバリックス(2価)」と「ガーダシル(4価)」の名前は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。今から接種を考えている人への一番のおすすめは、防げる型が多い「シルガード9 (9価)」です。2023年3月現在、「サーバリックス」と「ガーダシル」は定期接種で受けられます。そして2023年4月から、「シルガード9」も定期接種で受けられるようなりました。

1、2回目で「サーバリックス」「ガーダシル」を接種し、3回目のみ「シルガード9」を接種することはできますか? と聞かれることもあるのですが、「可能」です。ただし、「シルガード9」は定期接種に組み込まれるのは2023年4月以降となります。接種を考えている人は必ずクリニックや病院で確認するようにしましょう。

 


Q. HPVワクチンは女性だけが受ければいいのですか?


そんなことはありません。日本以外では男女ともに公費でHPVワクチンを受けられる国がほとんどです。日本ではHPVワクチンが「子宮頸がんワクチン」と呼ばれてきたこともあって、女性のみが接種対象として認知されてきました。海外では男性もHPVワクチンを受けていると聞くと、驚く人が大半です。2020年12月、世界に大きく遅れて日本でようやく厚生労働省がガーダシル(4価ワクチン)の適応に男性を追加する方針を発表しました。

日本のHPVワクチン事情は世界から遅れている、というより、むしろ取り残されています。HPVは性交渉でうつるわけですから男性もHPVワクチンを受けておけば大切なパートナーを子宮頸がんから守ることにつながり、また中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんの予防にもなるんです。

クリニック information

レディースクリニック サンタクルス ザ シンサイバシ
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目8-3 心斎橋PARCO10F

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