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shinsaibashi

2024.09.11

健康診断と人間ドックの違いは? 受診施設の選び方や、診断結果のチェックポイントも知りたい!【Welpa相談室 vol.27】

#Welpa相談室

なんとなく身体や心のモヤモヤ・不調があっても、「いま忙しいから」「病院に行くほどでもないから」とやり過ごしてしまうこと、ありませんか? Welpa相談室は、そんなスルーしてしまいがちな心と身体の声に寄り添い、ドクターや専門家に気になるアレコレを相談できる場所。

 

今回のテーマは、健康診断と人間ドックについて。そもそも健康診断と人間ドックの違いって? 診断結果はどんな点に注視したらいいの? など、イーストメディカルクリニックに教えていただきました。

▶INDEX

—健康診断と人間ドック。検査項目の違いや、推奨受診頻度・年齢
—受診施設を選ぶ基準は、「気になる項目を検査できるか」など3つ
—診断結果は「A」「B」判定に限らず、過去3年前後の数値変化も要チェック!

健康診断と人間ドック。検査項目の違いや、推奨受診頻度・年齢

 

—そもそも、健康診断と人間ドックはどう違うのですか?

 

健康診断は、健康状態を把握するため、企業に勤めていると年に1回を目処に受ける健診です。労働安全衛生法で「1年に1回以上定期健康診断を実施すること」と定められています。


一方で人間ドックは、法律によって受けるように規制されているものではなく、本人の希望によって受けるものです。健康診断の目的が「健康状態を把握するため」であるのに対し、人間ドックは「病気の早期発見、早期治療」を目的としています。検査結果の一部は当日にわかることもあり、検査後に医師より結果説明や生活習慣改善指導をすることで、病気を未然に防いだり、健康の維持・促進なども重要な目的の一つと言えます。 

 

※検査項目は、イーストメディカルクリニックで受診する場合の内容です。 

 

—健康診断と人間ドックは、どのくらいの頻度で受けるのがいいのでしょうか?

 

どんな年齢の方も、健康診断と人間ドック、いずれかを1年に1回受けましょう。特に40歳を過ぎるとさまざまな病気の発症リスクが高まるため、この頃から人間ドックに切り替えることをおすすめします。 


企業によっては、社員の健康管理や病気を未然に防ぐことを目的として、35歳以上などを対象に人間ドックの受診費用を助成しているところもあります。※

その影響もあり、当院では30代以上から人間ドックを受けている人が増える印象です。

 

※実施の有無や対象年齢は企業によって異なります。

受診施設を選ぶ基準は、「気になる項目を検査できるか」など3つ

 

—健康診断や人間ドックを受診しようとクリニックを探していると、どんな基準で選べばいいかわからなくなってしまい……どこでも検査項目は同じでしょうか?また、クリニック選びのポイントがあれば教えてください。

 

クリニックや施設によって、検査項目は異なります。そのため、受診施設を選ぶ基準としては「気になる項目を検査できるのか」に注目してみてください。また、自宅や勤務先など、生活圏内からアクセスしやすい場所であることも、受診のハードルを下げてくれると思います。 


そしてもう一点、その施設が「『機能評価認定施設※』であるか」も判断材料になります。日本人間ドック・予防医療学会では学会が定めるさまざまな審査項目をクリアし、受診者が安心して健診を受けられると判断した施設を『機能評価認定施設』としています。 

 

※機能評価認定施設については、以下のHPから確認いただけます。

日本人間ドック健診協会 「e人間ドック」https://www.e-ningendock.jp/

 

 

—受診申込時に、オプションを追加するか、どの項目にするのが良いのか悩んでしまいます。どんな基準でオプションを選ぶのが良いのでしょう?

 

病気の原因は、生活習慣に起因するものから、遺伝的に発症するものまでさまざまです。そのため、ご自身の年齢、性別、家族の病歴、既往歴(自身の病歴)、生活習慣などを振り返り、気になる部分を検査できるオプションを選択するのが好ましいです。 


例えば、20〜30代女性の場合、若年層から罹患率の高い子宮頸がん検診+HPV検査を追加をするなど。40代以降は様々な病気の発症リスクが増えてくるため、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査、骨密度検査、腫瘍マーカー検査、腹部超音波、頸動脈超音波など、定期健康診断では診きれていなかった部分をフォローし、現状を把握するのも良いでしょう。  

 

—各検査項目から、どんな病気の可能性がわかりますか?

 

健康診断の項目でわかるのは主に、生活習慣病です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)、肝機能異常などですね。 
人間ドックでは、上記に加えて各検査項目で以下のような病気の発覚につながることがあります。 

健康診断や人間ドックでわかるのは、「この部分に異常があるかもしれない」ということ。そこから再検査などでより詳細に状況を診ていくことで、大きな病気の発見につながるのです。

 

診断結果は「A」「B」判定に限らず、過去3年前後の数値変化も要チェック!

 

—診断結果表はかなりの情報量。「A」や「B」などの判定区分はパッと目につくものの、どこに注目すれば良いかわからず……。

 

まずは、「A」や「B」などの判定区分を見て、精密検査や治療が必要な結果がないかを確認しましょう。クリニックによって判定区分の表現に差はありますが、当院では以下のように区分を設定しています。

「C」以降に関しては、定められた期間での検査や治療に取り組むことが必要ですが、「A」や「B」の場合も油断は禁物です。手放しで安心せずに、過去2〜3年の結果と比較し、数値が上昇・下降傾向にないかを確認しましょう。
 

—過去の診断結果と比較することも大切なのですね! 検査結果は、何年分くらいを手元に保管しておくのが良いでしょうか?

 

直近3〜5年分の検査結果は保管することをおすすめします。判定区分が「A」や「B」だから、基準値内だからと問題ないと思い込まず、経年的に検査結果を比較・確認することで病気の発見につながることもあります。特に受診施設が前年・前々年と異なる場合は、自分で比較することが大切です。

 

—経年変化を見るにあたり、「この検査項目は要チェック!」という項目はありますか?

 

特に女性は、貧血になりつつあるかどうかを推察できる「ヘモグロビン」という項目の数値の推移は、見ておくと良いでしょう。「コレステロール」「血糖」も自身の生活習慣と照らし合わせながらの推移確認がおすすめです。

 

—健康診断と人間ドックについて改めて考えると、生活習慣病の要因を作らないことが大切だと思います。具体的にどんなことに気をつけるべきでしょうか?

 

生活習慣病には、遺伝性のものもありますが、血縁者に罹患者がいない方が自分でできる対策としてはやはり「健康的な生活をおくる」ことです。脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病は、脂質(LDL コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、Non-HDLコレステロール)、血糖、HbA1c、肝機能、尿蛋白などの異常に起因します。

 

それらを基準値内にキープするには、運動不足や過食、糖分・脂質の摂りすぎ、喫煙、アルコールの飲み過ぎなどを避けることが大切。年に1回、健康診断や人間ドックを受診すると同時に、日頃のライフスタイルも整えましょう。

Clinic Information

 

 

 

 

 

●イーストメディカルクリニック

埼玉県さいたま市浦和区東高砂町11−1 浦和PARCO 7F

 

 

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Staff Credit

Text Ayano Homma
Illustration Saki Morinaga

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