まずは口臭の原因を正しく理解するところから。口臭には2種類ありまして、誰もが持っている「生理的口臭」と、病気が原因となる「病的口臭」に大別されます。「生理的口臭」が発生するのは、例えば、お腹が減っているとき、緊張しているとき、寝起きなど。これは「お口の中が乾燥している状態」に起こるもので、万人共通の現象です。もともと唾液には消臭効果のある成分が含まれているので、乾燥すると唾液の分泌が減り、お口の中の細菌の数が増えることで匂いが発生してしまうんです。一方「病的口臭」は、主に口の中の病気によるものです。虫歯や歯垢でも臭うんですけど、歯周病の方が匂いはキツめです。口臭と同時に、歯茎が腫れぼったい、歯磨きで出血をする、疲れるとうずく、などの症状が出ていたら歯周病の兆候です。他人から指摘されるレベルの口臭は歯周病の可能性が高いので、早めに検査を受けましょう。

最も簡単な口臭の対策は、口の中をつねに潤っている状態、清潔な状態に保つことです。水分補給は、お水や経口補水液がベスト。緑茶やコーヒーなど利尿作用があるものは、体から水分が抜けて逆にお口が乾燥してしまうので、利尿作用がない飲み物を選ぶよう心がけてください。もちろん食事でも唾液はたくさん出ます。口臭を感じたら何かしら食べて、咀嚼して、歯磨きをしてケアするのも良い対策です。

歯科で施術できるホワイトニングには2種類あります。１つめは「オフィスホワイトニング」といって、医療機関でしか提供できない薬剤を歯に塗って、光を当て活性化することで白くする方法です。１クールで３、4回繰り返せばその人が持つ最大の白さまで引き上げることができるので、「この日までに白くしたい」という目標がある方にはおすすめです。その後、定着させるには半年に1度くらいの頻度で来院いただく必要があります。

２つめは「ホームホワイトニング」。歯科で歯形をとってマウスピースを作ったあとは、自宅でホワイトニング用のジェルを塗って2時間ほど浸透させます。サブスクでジェルを郵送するサービスもあるので、来院回数は1回で済むのがメリット。ただ最も効果が大きいのは、オフィスホワイトニングでしっかりベースを作ったあと、ホームホワイトニングに切り替えて薬液を継続的に浸透させる2段階のホワイトニングです。ちなみに、市販のホワイトニングを謳っている歯磨き粉は、歯の表面の着色汚れや茶渋を研磨剤で取り除いているだけなので、内側から白くすることはできません。

よく「ホワイトニングをしたら歯が弱くなりますか？」という質問をいただくんですけど、心配いりません。ホワイトニングに歯を破壊するような成分は含まれておらず、漂白させているだけだからです。気をつけないといけないのは、人間の歯にしか薬剤は浸透しないので、人工の被せ物などをつけている歯や虫歯部分は白くならないということ。そして、歯茎が下がっている方は、表面のエナメル質の下の象牙質が見えてきてしまっているので、その部分に薬剤が当たるとしみたりします。心配な方はホワイトニングの前に、気軽に口腔内検査（保険診療で受診可）を受けてみてください。お口の中の写真を撮影して、治療中の歯があるのか、歯茎が下がっていないかなどを調べられるので、安心してスタートできます。

竹山 旭

大阪歯科大学歯学部歯学科卒業。大阪歯科大学大学院歯学研究科口腔外科学専攻博士課程修了。いくつかの歯科大学の講師などを歴任後、2019年、大阪府堺市に「竹山歯科口腔医院」開院。株式会社NOVENINEの代表取締役歯科医師を務め、口臭から疾患の早期発見につなげる歯ブラシや、オンライン歯科相談窓口の開発・運用に携わっている。研究歴、受賞歴多数。主な著書に、『歯科医療を通じて,ヘルスケアの未来を創る。IoT スマート歯ブラシ“SMASH”の開発』、『医療・介護の現場で役立つベーシックオーラルケア BOCプロバイダー入門』（2020長縄拓哉との共著）などがある。

NINE DENTAL 心斎橋PARCO

大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目8-3 心斎橋PARCO10F

06-4708-8882

10:00〜20:00（最終受付19:00） 

https://www.tdoc-dent.org/nine_dental/

※WEB予約後に『WEB問診』を行うとスムーズにご案内が可能です。

▼口臭が気になる方へのおすすめメニュー

・歯周病検査（保険）

▼ホワイトニングが気になる方へのおすすめメニュー

・オフィスホワイトニング（自由診療）

・ホームホワイトニング（自由診療）

詳しくはこちら