新しい命を授かる前のヘルスケアを「プレコンセプションケア」と言います。プレは「～の前」、コンセプションは「受胎・妊娠」を意味しています。

プレコンセプションケアでは、まず自分の身体の状態を知ることが大切だと考えられています。婦人科系の疾患がないか、排卵がちゃんとあるのかどうかを知っておくこと。実は今、日本の若い女性の間で多嚢胞卵巣症候群など、排卵しづらい状態の方が多くいると言われているのです。

私は不妊治療の現場にいるのですが、いざ妊活を始めるとなって調べたら排卵しづらい状態だったという方が結構いらっしゃいます。「もっと早く婦人科に来ていればよかった」という切実な声を耳にすることも。排卵のリズムを整えておくと妊活をスムーズに進めることができますので、生理不順の方は今のうちから婦人科を受診していくといいです。目安として、妊娠の可能性がないのに３か月生理がきていない場合は受診をおすすめします。

生理不順ではない方も、婦人科のがん検診を受けることは大事です。同時にエコー検査もしておくことをおすすめします。多くの自治体で20歳から定期的に子宮頸がん検診のクーポンを配布しています。同じ年齢のお友達なら同じタイミングで届いているはずですので、ご一緒に受診するなど気軽な気持ちで婦人科を訪れてくれると嬉しいですね。

また、排卵には女性ホルモンが正常に出ていることが必要です。過度なダイエットはホルモンの乱れにつながると言われていますので、それが原因で子供ができにくい体質になるということはありえるかと思います。将来妊娠を望むなら、過度なダイエットが将来の妊活にも影響を与えるかもしれないということをお伝えしたいです。

なかなか子供を授からず、病院で調べてみたら男性の方に原因があったっていうことも多々あります。「そうだったんだ」とショックを受けて帰られる旦那さんって意外と多いんですよね。女性と一緒で体質が原因のこともあれば、ストレスや体調に左右されることも。女性だけではなく、男性側もなるべくストレス環境を避け、過度な飲酒や喫煙が精子の状態に影響を与えると言われているので節度ある生活を心がけることも妊活前には大切です。

また男女問わずブライダルチェックを受ける方もいらっしゃいます。自費診療ですのでクリニックによって検査項目や料金が異なるのですが、サンタクルスですと感染症、性病といった妊娠に影響を与える項目の検査がセットになって1万円前後で受けられます（※）。名前はブライダルチェックですが、結婚前でなくても大丈夫です。

妊娠は女性だけのものと考えず、ともに協力していけるパートナーと取り組めるといいですね。

※ブライダルSTD培養セット（検査対象：クラミジア、淋病）税込8,750円、ブライダルSTDセット（検査対象：クラミジア、淋病、梅毒、HIV、B型肝炎、C型肝炎）税込13,000円など。

先生のプロフィール・クリニック

●中山 亜耶（臨床検査技師/超音波検査士/培養士）
大阪大学大学院を卒業後、レディースクリニック サンタクルスに臨床検査技師として勤務。出生前診断や胎児スクリーニング等のエコー業務に携わる一方、現在は培養士として不妊カウンセリングから精液検査・人工授精、体外受精、顕微授精まで多岐にわたり手がけ、不妊治療の現場に向き合っている。

●レディースクリニック サンタクルス ザ シンサイバシ
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目8-3 心斎橋PARCO10F

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