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2024.08.09

子宮頸がん予防ワクチン、平成9〜19年度生まれを対象とした「キャッチアップ接種」は 9月中に1回目の接種が必要!?【Welpa相談室vol.26】

#Welpa相談室

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の「キャッチアップ接種」をご存じですか? 日本は、HPVワクチンは公費補助となっており、定期接種の対象の方は原則自己負担なしで受けられます。

また、積極的な接種を一時的に差し控えていた期間に定期接種の年齢(平成9年度~19年度生まれ)だった方は「キャッチアップ接種」にて、定期接種と同様に公費補助で HPV ワクチンが接種できます。この「キャッチアップ接種」、全て公費で接種するためには2024年9月中に1回目の接種を終える必要があります。

 

子宮頸がんの原因となるHPVウイルスについて、 レディースクリニック サンタクルス ザ シンサイバシの藤田先生に伺った内容のおさらいと、自治体によりスタートしている男性へのHPVワクチン接種の補助など最新情報もあわせてアップデート。過去記事を読んだ方もぜひチェックして。

子宮頸がんに関する基礎知識

 

—子宮頸がんってどんな病気ですか?

 

子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頚部)にできるがんのことをいいます。日本では、女性の74人に1人が子宮頸がんにかかると言われています。 子宮頸がんにかかる人は、日本の婦人科がんの中でも比較的多く、最近では20〜40代で増加傾向にあります。 
 
子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)と言われるもの。性行為によってうつるのと、潜伏期間が3年から十数年と非常に長いのが特徴で、小さい子供がいる母親世代がかかることが多いことから「マザーキラー」と呼ばれています。

 

—どうしたら子宮頸がんを予防できますか?

 

定期的な検診と、ワクチン接種が大切です。  
 
定期的に子宮頸がん検診を受けることで早期に発見すれば比較的治療しやすく、その後の妊娠も出産も可能です。 また、同時に大事なことは、出来るだけ若いうちにHPVワクチンを接種すること。小学校6年生から高校1年生までの女子は、自己負担なし(公費)の定期接種を受けられます。また、この時期を過ぎても45歳頃までは自費での接種が可能です。
 
先進国の中で日本は突出してHPVワクチンの接種率が低く、イギリス、ドイツ、アメリカといった他の先進国では子宮頸がんが減ってきているのに対して、日本では子宮頸がんが増加しているのが現状です。 
 
一時、HPVワクチンの副反応といわれる健康被害が日本のメディアで大きく取り上げられ、積極推奨が差し控えられた時期があります。その時期にHPVワクチン接種を控えた方のために、現在「キャッチアップ接種」が行われています。 

 

★子宮頸がんの原因や、HPVワクチンの副反応について詳細に記した過去記事はこちらからチェック

 Welpa相談室vol.15 子宮頸がんってどんなもの?ワクチンで防げるって本当ですか?【前編】

「キャッチアップ接種」とHPVワクチンについて

 

—公費で受けられる「キャッチアップ接種」はいつまで? HPVワクチンの種類についても教えてください。

 

2022年4月から厚労省が、定期接種を逃した方のために無料でHPVワクチンを接種する制度をスタートした「キャッチアップ接種」。1997年4月2日生まれから2008年4月1日生まれの方が対象で、制度の利用期間は2025年3月末までとなっています。 
  
HPVワクチンは、3回にわたり接種することを厚労省は推奨しており、ワクチンの種類により間隔は異なりますが、1回目の接種から3回目の接種まで半年間の期間を要するため、2024年の9月中に1本目を接種する必要があります。 

 

今現在、日本で受けられるHPVワクチンは3つです。 
そのうち最もおすすめなのは、予防できるHPVウイルスの種類が多い「シルガード9 (9価ワクチン)」。本来、接種費用は2006年度より前に生まれた人は自費となり、3回セットで5〜10万円ほど、1回2万円くらいかかります。ですが前述の通りキャッチアップ接種を利用すれば1997年度〜2005年度生まれの方も公費で接種できます。 
 
若いほうが抗体が多く作られやすいのと、初めての性的接触より前にワクチンを接種した方がいいということで、接種は早いに越したことはありません。ワクチンの種類や個人差もありますが、今のところ、ワクチンはおおよそ10年以上その効果が期待できると言われています。3回目の接種だけ公費接種の期間を過ぎて自費になってしまうといったことがないように、まずは1回目の接種が必要な9月のスケジュールを確認して、計画的に受けましょう。 

 

―男性もHPVワクチンを受けた方がいい? 費用補助もあるって本当ですか?

 

日本以外の先進国では男女ともに公費でHPVワクチンを受けられる国がほとんど。HPVは性交渉でうつるので男性もHPVワクチンを受けておけば大切なパートナーを子宮頸がんから守ることにつながります。 
 
HPVには200種類以上の遺伝子型があり、諸説ありますが男性は温泉のマットレスやサウナのタオルなどからペニスに感染するという報告もあります。また中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんの予防にもなるんです。 
 
日本で男性への接種が承認されているのは、「ガーダシル(4価ワクチン)」のみ。現在、男性への接種は定期接種でないため、費用は接種者が全額負担となり、1人合計3回の接種が必要なので5~6万円程度かかりますが、一部の自治体では、男性接種の費用を助成する動きも出ています。 
 
東京都では2024年4月から、都内の自治体が助成する場合、都が費用の半額を補助することが決定。この機会に、お住まいの区市町村で補助がないか調べてみてくださいね。

 

(参考)

・東京都 これだけは知って欲しい「はじめてのHPVワクチン」

 https://www.vaccine.metro.tokyo.lg.jp/

 

・HPV男性接種 区市町村情報ページ 東京都保健医療局

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/hpvdansei_info.html

 

★HPVワクチンの種類や、公費接種対象年齢を過ぎた場合の接種について詳細に記した過去記事はこちらからチェック

 Welpa相談室vol.16 子宮頸がんってどんなもの?ワクチンで防げるって本当ですか?【後編】

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※ワクチン接種希望の場合は、事前にクリニックへご連絡をお願いいたします。産婦人科・女性内科両方の時間帯で接種が可能です。

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Staff Credit

Illustration Yukiko Kata  
Text & Edit RCKT / Rocket Company*  

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